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デッサンのこと

デッサンの狂い方を読んで少し思うこと。


解ってやっているなら味になるだろうし、
意図しない狂い方なら本人にしてみればただ上手くいっていないだけなのではないかなぁ…。

デッサンが狂っているかを聞いてきているということは、この読者の方は
「正しいと思っていたデッサンが狂っていると言われた」のが問題なのではないでしょうか。

菅野博士さんの意見としては、
「漫画はおもしろさが第一なのでそっちに気を配ろう」というところですか。
※でも菅野さんご自身の絵はかなりデッサンに気を配っている絵だと思うのです。

まあ漫画はおもしろさが最優先というのは賛成なのですが。
漫画が面白いことと正しいデッサンはイコールではないし、
漫画は正しい絵を提供する目的でもないけれども、
デッサンの正しい絵で漫画を提供したいと考えるなら、練習してそのようにすれば良いのでしょう。

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少し気になったのは、この記事の方で「萌え絵」とかに話が及んでいるところをみると、
デッサンの狂いとデフォルメが混同されているのではないかな、と思ったのです。

デッサンの正確な絵とは、絵をそのまま立体として見た際に破綻しない絵、ということだと思うのです。
(立体物を正確に2次元に投影するのがデッサンですから)

例えば、ピカソの絵のように目が段違いに頭蓋骨に付いていて、
顔が正面なのに鼻が横を向いていたり、
その他明らかに人間として間違った形をしていようが、
それが粘土細工で立体に形作られたものであれば、「デッサンは狂っていない」のです。
そして、それを正確に紙に描写したのであれば同じくデッサンは狂っていません。

※でもピカソの絵はデッサンが狂っているのではなくて、
複数の正しいデッサンを、一枚の紙(というか一人の人物など)に描写した結果、
一つの絵全体としてのデッサンが誤った結果になっているというだけですが。

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絵は漫画の一要素です。

それをどのように提供するかは作者の自由。どのように受け取るかは読者の自由。
編集者の方が、「この漫画でこの絵柄ならデッサンは正確な方が良い」というなら
それも読者の方が感じるであろう感想になりうる一要素です。
その感想に対してどう反応するかはまた作者の自由ですが。

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個人的には絵が正確な漫画よりは絵が生きた漫画が好きです。読む分には。
でも自分で描いている時にはデッサン狂いは凄く気になるのです。
「気にしなくて良い」って言われたって気になるのです。

「違う、俺の"描いた"のはこのイメージじゃないーー!
うあああああ、何で俺の目はこの間違いを見逃してしまうのだぁぁーー」…と。

…まあ、そんなわけで、精進、精進。